研究内容の紹介
細胞増殖、がん化、老化
私たちの研究室では主に以下のような研究を行っています。
1.がん多様性の研究
腫瘍は、がん細胞と免疫細胞、線維芽細胞、血管、リンパ管などの多様な正常細胞の構成する微小環境から構成されています。私たちは、がん細胞と微小環境の相互作用の解析に取り組んでいます。また、がん細胞も均一ではなく、造腫瘍能の異なる多様ながん細胞が存在します。その中でも「がん幹細胞」と呼ばれる細胞が腫瘍を形成する強い能力(造腫瘍能)を持っていることがわかってきました。がん幹細胞が微小環境と相互作用して自己複製したり分化したりする分子機構を明らかにすることを目的として研究を進めています。
2.長寿変異マウスを用いた老化機構の解析
私たちは、RNA結合タンパク質をコードするMex-3B遺伝子を欠損するマウスは野生型マウスより長生きすることを見出しました。Mex-3Bタンパク質の老化における役割を研究しています。
3.変異マウスを用いた情動、自閉症の研究
情動を司るのは脳の「扁桃体」と呼ばれる領域で、その機能障害が自閉症発症と密接に関連していると考えられています。しかしその分子機序はよく分かっていません。当研究室では、PX-RICSタンパク質が自閉症発症に重要な役割を果たすことを見出し、扁桃体の担う情動学習における機能を解析しています。