研究内容の紹介
RNA修飾の多彩な機能と生理学的意義
RNAは転写後に様々な修飾を受けて成熟し、はじめてその本来の機能を発揮します。これまでに160種類を超えるRNA修飾が、様々な生物種から見つかっています。RNA修飾はセントラルドグマの様々な過程で遺伝子発現を調節することが明らかになりつつあり、エピトランスクリプトームと呼ばれ、転写後における新しい調節機構として、注目されています。私たちは独自に、細胞内に存在する微量なRNAを単離精製する技術や、微量RNAの高感度質量分析法(RNA-MS)を開発しています。これらの手法を駆使することで、新しいRNA修飾や修飾酵素の発見と、その機能解析を通じ、RNA修飾が関与する生命現象を探究しています。また、RNA修飾の欠損が原因で生じるヒトの疾患を世界で初めて報告し、”RNA修飾病”という疾患の新しい概念を提唱しています。
