最近の研究成果

肝硬変に対するエクソソームを用いた新たな治療法の可能性 -肝硬変への新たな再生医療を目指して-

宮島 篤(発生・再生研究分野 特任教授)
白髭 克彦(ゲノム情報解析研究分野 教授)
npj (Nature Partner Journals) Regenerative Medicine

発表概要

新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野の寺井崇二教授、土屋淳紀講師、竹内卓特任助教は、東京大学定量生命科学研究所発生・再生研究分野の宮島篤特任教授、同研究所ゲノム情報解析研究分野の白髭克彦教授、東京医科大学医学総合研究所分子細胞治療研究部門の落谷孝広教授、大阪大学大学院医学系研究科免疫細胞生物学の石井優教授、菊田順一准教授との共同研究で、日本に患者が40万人程度いると考えられる肝硬変に対し、間葉系幹細胞から産生され非常に小さく、安定な細胞外小胞・エクソソームがマクロファージを介して治療効果を発揮することを明らかにしました。またインターフェロンγで刺激した間葉系幹細胞の産生するエクソソームは肝硬変に対する治癒促進効果をもつマクロファージを誘導する為に必要な物質を含むことも明らかにしました。この成果は、肝硬変に対する新たな有効物質の同定や、エクソソームを用いた新たな治療法の開発につながる可能性があります。

 

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雑誌名等

雑誌名:npj (Nature Partner Journals) Regenerative Medicine

論文タイトル:Small extracellular vesicles derived from interferon-γ pre-conditioned mesenchymal stromal cells effectively treat liver fibrosis

著者:Suguru Takeuchi, Atsunori Tsuchiya, Takahiro Iwasawa, Shunsuke Nojiri, Takayuki Watanabe, Masahiro Ogawa, Tomoaki Yoshida, Katsunori Fujiki, Yuta Koui, Taketomo Kido, Yusuke Yoshioka, Mayu Fujita, Junichi Kikuta, Tohru Itoh, Masaaki Takamura, Katsuhiko Shirahige, Masaru Ishii, Takahiro Ochiya, Atsushi Miyajima, Shuji Terai

問い合わせ先

宮島 篤(ミヤジマ アツシ)
東京大学 定量生命科学研究所 特任教授

 

白髭 克彦(シラヒゲ カツヒコ)
東京大学 定量生命科学研究所 教授