2020年4月10日 / 最終更新日時 : 2022年11月16日 adsig プレスリリース コヒーシン遺伝子変異による白血病発症の機序を解明(4月6日)(ゲノム情報解析研究分野) 急性骨髄性白血病や骨髄異形成症候群は血液のがんで、現在でも根治の難しい難治性の病気です。正常な血液細胞が遺伝子変異を獲得することで白血病を発症しますが、近年、本研究グループより新規コヒーシン遺伝子注1変異が10-20%の白血病に認められることを報告しました。しかし、コヒーシン変異がどのように白血病を引き起こすかは、十分に分かっていません。さらに、がん細胞にしばしば複数の遺伝子変異が蓄積していることも分かってきましたが、複数の変異が発がんに関わる機序についても、不明な点が多く残されています。
2020年3月13日 / 最終更新日時 : 2022年11月16日 adsig プレスリリース Heroタンパク質の発見とその驚くべき機能 〜「へろへろ」したタンパク質は「ヒーロー」のように働く〜(3月13日)(RNA機能研究分野) タンパク質は一般に熱によって変性し、お互いに集まって凝集するという性質を持ちます。一方で、熱によって変性せず凝集しない熱耐性タンパク質は、これまで例外的であるとみなされ、そのようなタンパク質がどの程度存在するのか、またどのような機能をもつのかについては、不明なままでした。 今回、東京大学定量生命科学研究所の坪山幸太郎学振特別研究員、泊幸秀教授らの研究チームは、熱耐性タンパク質がヒトやハエにも豊富に存在することを発見しました。
2020年3月10日 / 最終更新日時 : 2020年7月3日 adsig プレスリリース コレステロール合成経路の新たな制御ポイント(3月10日)(生体有機化学研究分野) コレステロールは高等生物にとって必須の脂質です。しかしながら、コレステロールの生合成には多量のエネルギーが必要であり、また過剰のコレステロールは動脈硬化等の疾患の憎悪因子であるため、その生合成量は厳密に制御されています。
2020年3月4日 / 最終更新日時 : 2020年7月3日 adsig プレスリリース 高次ゲノム構造が遺伝子発現を制御する仕組みを解明(2月28日)(遺伝子発現ダイナミクス研究分野) 転写制御において中心的な役割を担うのはエンハンサー(注1)と呼ばれる調節配列です。エンハンサーは転写活性のON/OFを切り替えるスイッチとして働くことで、個体発生における遺伝子発現を緻密に制御しています。重要なことに近年、ゲノムはTopologically Associating Domain(TAD、注2)と呼ばれるループ構造を基本単位として緻密に折り畳まれていることが理解されてきました。
2020年2月4日 / 最終更新日時 : 2020年3月15日 adsig プレスリリース 神経細胞間の信号伝達を担う接着構造を形成する仕組みの解明(1月31日)(蛋白質複合体解析研究分野) 東京大学定量生命科学研究所(白髭克彦所長)の深井周也准教授らのグループは、神経細胞間の信号伝達を担う接着構造であるシナプス(注1、図1)の形成を誘導する膜受容体チロシン脱リン酸化酵素PTPδ(注2)と細胞内のアダプタータンパク質Liprin-α(注3)が結合した状態の立体構造を決定し、シナプス形成を誘導する仕組みの一端を明らかにしました。
2020年1月30日 / 最終更新日時 : 2020年7月3日 adsig プレスリリース piRNAはどのようにつくられるのか?(1月30日)(RNA機能研究分野) piRNA(PIWI-interacting RNA)はわずか30塩基程度の小さなRNA(注1)です。しかしこの小さなRNAは、生殖細胞のゲノムを守るという大きな役割を果たしており、人間を含めた動物が存続するためには必須の因子です。
2020年1月9日 / 最終更新日時 : 2022年11月16日 adsig プレスリリース PD-1がT細胞の質を制御するメカニズムの解明(1月9日)(分子免疫学研究分野) 病原体やがん細胞から我々の体を護る免疫システムにおいて司令塔と実行役の両方の役割を担うT細胞は、抗原を認識することによって活性化します。T細胞が活性化するとさまざまな遺伝子の発現が変化し、生存・増殖・分化・サイトカイン産生などの応答を示します。これまでに抑制性免疫補助受容体PD-1がT細胞の活性化を抑制することは知られていましたが、遺伝子レベルでT細胞をどのように変化させているかは不明でした。
2019年12月13日 / 最終更新日時 : 2022年11月16日 adsig プレスリリース 不要なタンパク質が分解を受ける前に解きほぐされる仕組み (12月13日)(蛋白質複合体解析研究分野) 東京大学定量生命科学研究所(白髭克彦所長)の深井周也准教授と東京都医学総合研究所(田中啓二理事長)の佐伯泰副参事研究員の共同研究グループは、不要なタンパク質や異常タンパク質を解きほぐす酵素であるCdc48の、2つの補因子Ufd1とNpl4が結合する仕組みと、Npl4がユビキチン鎖を認識する方法を明らかにしました。
2019年10月4日 / 最終更新日時 : 2022年11月16日 adsig プレスリリース RNAスプライシング関連分子NKAP変異を原因とする新規希少疾患の同定 (10月4日)(希少疾患分子病態分野、ゲノム情報解析研究分野) NKAPは遺伝子の発現に関与するRNAスプライシング(注1)を担うとされる分子である。NKAPの機能には不明な点が多く、生殖細胞系列での変異がどのような疾患をおこすのかは不明であった。
2019年9月27日 / 最終更新日時 : 2022年11月16日 adsig プレスリリース 染色体を守りつつ核内を浄化する仕組みの解明(ゲノム再生研究分野) 静岡大学大学院総合科学技術研究科理学専攻の丑丸敬史研究グループと、東京大学定量生命科学研究所の小林武彦研究グループは、細胞の核内成分を分別浄化する仕組みの一端を解明しました。