次世代エピゲノム解析手法CUT&Tagに適したマグネットビーズの開発(11月18日)(病態発生制御研究分野)

 CUT&Tag法は、少量の細胞で目的タンパク質等のゲノム局在を高解像度に解析することができるエピゲノム解析手法であり、これまで主流であったChIP-seq法に代わる次世代の実験手法として期待されている。しかし、既存のCUT&Tag法プロトコルで使われる細胞吸着マグネットビーズは、ダマになりやすく懸濁性が悪いため酵素反応などを阻害する懸念があった。

 病態発生制御の岡田由紀教授らのグループは、疎水性のマグネットビーズを改良することでダマが生じにくくし、CUT&Tagに適したビーズの開発に成功した。この改良型マグネットビーズを使用すると、細胞の操作性が向上しただけでなく、従来のビーズと比べて高い感度でヒト培養細胞のH3K4me3を検出した。近年、エピジェネティクス研究分野において多くの研究者がCUT&Tag法を使うようになってきており、今回開発した改良型マグネットビーズを使用することで、より多くの研究者が少ないトラブルでエピゲノム解析を行えるようになることが期待される。


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