定量生命科学研究所セミナー(9月13日)

日時: 令和4年9月13日(火)16:00 –17:00

場所 : 東京大学定量生命科学研究所
           生命科学総合研究棟A410会議室

講師 : 伊藤 慶一 博士
           Research Associate
           Laboratory of Biochemistry and Molecular Biology,
           The Rockefeller University

演題: 生体におけるMED1/Mediatorの構造と機能の関係

要旨:
転写制御は細胞の性質や機能を決定する最も重要な仕組みのひとつであり、このしくみの理
解は個体発生や疾患の発症機序の解明に必須だとされています。
長年の生化学的な研究による知見に加えて、近年のクライオ電顕を用いた複合体の構造解析
技術の飛躍的な向上によって、RNA Pol IIや基本転写因子群の転写開始点上での作用機序が
構造レベルで理解できるようになってきました。一方で、エンハンサーを介した遺伝子特異
的・細胞種特異的な転写を制御する仕組みについては統一的な見解がなされていないのが現
状です。
私たちは転写活性化機構のモデルとして古典的に用いられてきた核内受容体の研究を起点
として、エンハンサーとプロモーターを機能的に繋ぐメディエーター複合体の解析を行なっ
てきました。本発表では、核内受容体と直接結合するサブユニットとして同定されたMED1
に関するこれまでの知見と、主にマウス遺伝学を通してみえてきた生体内におけるMED1
の構造・機能の関係について紹介させていただきます。

 

幹事: 遺伝子発現ダイナミクス研究分野
主催:東京大学定量生命科学研究所