mRNA翻訳研究分野の小林穂高客員准教授が令和6年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞 を受賞

mRNA翻訳研究分野 小林 穂高 客員准教授が、令和6年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞しました。

若手科学者賞は、我が国の科学技術分野において萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者に対し贈られるものです。

【受賞業績】 RNAサイレンシングの細胞内時空間動態/制御の萌芽研究

RNAサイレンシングとは小分子RNAにより遺伝子発現が抑制される現象であり、mRNA全体の70%ほどがその制御下にあるとされています。ですが、これまで主に生化学的アプローチ(試験管内の解析系)により研究されてきた背景から、RNAサイレンシングが細胞内において「いつ・どこで」実行・制御されるのかといった時空間的な側面については理解が遅れていました。

小林客員准教授は、独自の細胞生物学的アプローチにより、①細胞内のオルガネラ/場所を介した新規RNAサイレンシング制御機構を発見し、②さらにRNAサイレンシングを細胞内1分子イメージングできる独自の新規技術を用いて、その細胞内時空間動態を解析することに成功しました。

本研究成果は、医療応用も進むRNAサイレンシングへの本質的な理解を大いに深めるものであり、より合理的な小分子RNA医薬の開発にも繋がるものと期待されます。

主要論文:

「Iruka eliminates dysfunctional Argonaute by selective ubiquitination of its empty state」Molecular Cell誌、vol.73、p119~129、2019年発表

「Single-molecule imaging of microRNA-mediated gene silencing in cells」Nature Communications誌、vol.13、pe1435、2022年発表

令和6年度科学技術分野の文部科学大臣表彰の詳細については、文部科学省のホームページをご参照ください。
文部科学省| 令和6年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等決定しました