「共感」する時の脳のはたらき ――自分と他者の情報を合わせ持つニューロンの発見――

東京大学定量生命科学研究所の奥山輝大准教授、同大学大学院医学系研究科の黄子彦大学院生、ジョンミョン大学院生らのグループは、怖いという気持ちを「共感」するときの脳の働きを、マウスを使って解明しました。ヒトもマウスも、他者が怖いと感じている様子を見ることで、その感情が移ったかのように、自分自身も怖いと感じるようになることが知られています。この時、脳内で「他者の感情」と「自分の感情」がどのように情報処理されるかを調べたところ、前頭前野という脳領域に「自分と他者の感情の情報を、同時に合わせ持って表現する」神経細胞が存在することを発見しました。将来、この研究をもとに、共感性に困難を抱える自閉スペクトラム症への理解が進むことが期待されます。

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