「友達」を記憶する、海馬の神経活動パターン 〜なぜ自閉症は友達を記憶しづらいのか?〜(2月4日)(行動神経科学研究分野)

 

 東京大学定量生命科学研究所行動神経科学研究分野の奥山輝大准教授らのグループは、「友達についての記憶」を思い出している時に、記憶を貯蔵する海馬のニューロンがどのように活動をしているのかを、マウスを用いて明らかにしました。起きている時も寝ている時も、友達を思い出す時には、いつも決まった組み合わせのニューロンの集団が、決まった順番で活動していました。さらに友達を覚えづらい自閉症スペクトラムでは、この脳活動のパターンが乱れていることを発見しました。記憶中枢である「海馬」が認知症などの記憶の病気だけでなく、自閉症スペクトラムの原因脳領域の一端である可能性を示唆するものであり、病態理解に大きく貢献できることが期待されます。

 本研究成果は、2022年2月4日に英国科学誌「Molecular Psychiatry」のオンライン版に掲載されました。また、本研究はJST「さきがけ(課題番号:JPMJPR1781)」の支援により実施されました。

 

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