定量研インタビュー 奈良崎 泰典さん

分子免疫学研究分野(代表:岡崎拓 教授)
博士課程後期
奈良崎 泰典

定量研の魅力について教えてください。

 定量研には様々な分野の研究室があり、研究室の垣根がなく同年代の若手から中堅の研究者たちから刺激を受けることができる点が魅力だと思います。さらに、カロリンスカ研究所との交流もあり、海外で活躍する研究者の研究に直に触れたり、交換留学によって海外文化や言語を学んだりする機会にも恵まれていると思います。 また、研究所主催の研究会や講習会もあり、現在の科学研究における教養を身につけたり、自分の専門分野以外の研究に対するアンテナを持ったりすることができるところも嬉しいです。

研究テーマについて教えてください。

 がん免疫療法としてノーベル賞を受賞したPD-1に代表される抑制性免疫補助受容体(免疫チェックポイント分子)の中でもLAG-3という分子について研究しています。 LAG-3の免疫抑制効果が不十分な状況であっても細胞表面のLAG-3の局在を変化させることで機能をLAG-3の免疫抑制能を惹起させ、自己免疫応答を抑制する新規治療法の開発を目指しています。また、他の免疫補助受容体の局在を変化させることで新しい機能を発揮させることができないかについて、検討しています。

奈良崎さんは、お子さんがいらっしゃるとのことですが、子育てと研究を両立していくために意識していることを教えてください。

 研究は自分でスケジュールを立てて進めていくことができますが、子育てはどうしても突発的な出来事が多くあります。子供の急病や保育園のお迎えで実験の予定が崩れてしまうこともあるので、その場合は実験の目的と優先順位を明確にすることと、空き時間を上手く利用して余裕を持たせたり複数の実験を同時並行することを意識しています。また、すぐに実験に取り組めるようにするために、他の人が見てもわかりやすい実験ノートや実験準備を心がけています。

子育てと研究の両立するにあたって周りからのサポートはありますか?

 一番のサポートはいつでも実験ができるように気がけてくれる妻だと思います。また、私が居住している地区では大学院生であっても子供を保育園に入園させる点で不利益はないので、助かっています。 それ以外にも、研究室で子供を待たせて実験をすることがあるのですが、その時には教授をはじめとした研究室の皆さんが相手をしてくださったり、明るく声掛けしてくださったりするので、大変ながらも研究に取り組めています。

定量研に入る前と後では、定量研の印象はどう変わりましたか?

 定量研に所属してからの印象は想像以上に研究環境が充実していると思いました。 また、大学院生から中堅の若手研究者も多く在籍しており活気がある研究施設だと感じています。

所属している研究室はどのような雰囲気ですか?

 MDの大学院生が多いので明るくも落ち着いた雰囲気です。教員の先生にも相談しやすく自分の実験計画についてもアドバイスをもらいやすいと思います。

今後(卒業後)の進路や目標はありますか?

 免疫学に関して海外留学を視野に入れております。また、MD (Medical doctor, 医師) のバックグラウンドを活かして、免疫制御の分子メカニズムに基づいた疾患の理解やコントロール方法の開発を目指し、基礎研究を続けていけたらと思っています。


聞き手:定量研オンキャンパスジョブHP作成チーム
写真撮影:石井慎也
インタビュー時期:2024年12月