IQB Handbook
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*カロリンスカ研究所は、スウェーデンのストックホルムにある医科大学です。世界最大の医学系の単科教育研究機関となります。ノーベル生理学・医学賞の選考委員会があり、スウェーデン国内における教育の30%、研究の40%を担っています。“TECH” FOR SOCIAL RESPONSIBILITY | COLLABORATION58 | 59一時的なセミナーやシンポジウムの開催だけではなし得ない「本気の」協創関係を結ぶため、スウェーデンのカロリンスカ研究所*と「UTokyo-KI Link for Innovative Networks and Knowledge (UTokyo-KI LINK)」設置に係る基本合意書(LOI)を締結しました。これにより、更に実質的に若手研究者やPIなどの連携が促され、サステイナブルな協創体制=いわゆる「拠点」を形成することに繋がりました。協創の場としての拠点を作るにあたり、カロリンスカ研究所にはIQBに所属する3名の研究者が常駐し、次世代シークエンサーを設置し、海外における定量研中央実験室が展開されています。また定量研には、外国人研究者が常勤の研究者として雇用されており、拠点における様々な活動の推進を担っています。国立台湾大学生物医学先端計算・画像処理センター(CACIB)は設立2年目を迎える新しい研究機関です。CACIBとIQBとは共に生命現象の定量的計測に重きをおいており、基礎研究を重視し、革新的かつ分野横断的で学際的な研究の実施により世界最先端のイノベーションを生み出すことを目指し設立された意欲的な教育研究機関であるという共通点を持っています。両機関が協力することで、相乗的に優秀な人材の交流や研究活動の推進、イノベーションの実現を促進し、両機関だけでなく両国、ひいては人類全体に利益をもたらすことを目指し、2024年5月に学術協力活動に関する覚書を締結し、交流を推進しています。*CACIBは国立台湾大学に設置された研究所です。コンピューティング、イメージング、マルチオミクスの3つの研究領域で構成されています。昨今、日本の研究機関における国際的プレゼンスの低下(論文数の減少や大学ランキングの低下)や若手研究者の海外進出の減少、情報発信力の低下などが指摘されています。このような状況下において、世界の一流の研究に伍していけるだけの研究水準を維持するためには、多様性に富む国内外の研究者・学生が参画し互いに切磋琢磨しながら研究に取り組める環境の整備、そして海外の研究ネットワークへの積極的な参加が不可欠であるとの観点から、IQBでは海外研究機関とのパートナーシップを重要視しており、多くの研究機関と共同研究を実施しています。特に、現在IQBでは、スウェーデンのカロリンスカ研究所や台湾の国立台湾大学、イタリアの分子腫瘍学財団研究所と組織間での国際交流を推進しており、研究者・学生交換やシンポジウム共催による人材交流、共同研究の実施、博士課程学生に対する授業の開催などを通じた最新の技術や知見の共有、人脈形成ができる体制の構築を進めています。海外拠点UTokyo-KI LINKの設置CACIBとの交流覚書の締結海外拠点設置をはじめとする国際交流

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