IQB Handbook
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49IQB / INSTITUTE FOR QUANTITATIVE BIOSCIENCES中央実験室には遺伝学から情報学まで、また、高度な次世代シークエンス技術、質量分析技術、生体分子の構造解析などそれぞれを専門に手掛ける技術職員が分野横断的に配置されています。技術職員は定期的に勉強会も開催しており、単に既存の技術の継承だけではなく新たな技術開発にも各研究室と時には一丸となってチャレンジし、研究所で行われている研究活動を手厚く支援しています。IQBの掲げる目標や、その目標を達成するための戦略、組織運営・人材育成のあり方などについて、国際的かつ多角的な視点から意見を受けるため、国内外の有識者で構成される外部委員会「IQBアドバイザリーカウンシル」を設置し、原則として年に1度、会議を開催しています。委員会では特に、①研究所の運営方針や施策の立案・実施状況、②研究所のオープンラボ化の進展状況(各研究室が孤立すること無く、健全な運営を行っているか)、③有期のPIのマネジメント、の3項目に関する評価をいただき、研究所運営に適切に反映しています。【アドバイザリーカウンシル・メンバー】Camilla Björkegren(カロリンスカ研究所・スウェーデン)、Frank Uhlmann(フランシス・クリック研究所・英国)、Joshua Patrick Johansen(国立研究開発法人 理化学研究所)、Rodney Rothstein(コロンビア大学・米国)、Susan M. Gasser(フリードリッヒ・メーシェル研究所・スイス)、荒木 弘之(大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構・国立遺伝学研究所)、井ノ口 馨(国立大学法人 富山大学)、仲野 徹(国立大学法人 大阪大学)、平野 達也(国立研究開発法人 理化学研究所)、松藤 千弥(東京慈恵会医科大学)、米田 悦啓(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所)アドバイザリーカウンシルAdvisory council現代社会に於いては研究をめぐる倫理が問われる事態が相次いでいます。また、世界各地で研究に対する政治的な圧力も起きています。我々は常に社会と科学の関係、科学者のあり方について考える必要があります。しかし、理系の専門家ばかりが集まった研究所では、どうしても視野狭窄に陥りがちで、科学史を社会との関係で読み解く、視野狭窄に警鐘を鳴らす、そのような存在が研究所に必要であるとの思いから、「科学技術と倫理研究分野」を設置致しました。研究所にとっては常に社会と科学の関係性を考えつつ歩んでいくことが活力になると考えています。古今東西、科学研究には、政治的圧力や研究者の嫉妬・虚栄心がつきものです。それが倫理にもとるものになってはいけません。研究所を生き生きと生存させると同時に、歴史に範を求めることで、これからの研究を支える若者たちに歴史の教訓を伝えていけることを目指しています。科学技術と倫理研究分野の設置Laboratory of Scientific Technologies and Research Ethics技術職員Technical staff客員教授 池上 彰IKEGAMI Akira, Visiting Professor

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