化学と生物44:252〜260(2006)
大腸菌リポタンパク質局在化の分子機構
渡辺祥司、徳田元
細菌には脂質で修飾されたシステインをN末端にもつリポタンパク質が広く存在し、細菌表層の多彩な機能に関わっている。大腸菌の内膜と外膜には、合わせて約90種類のリポタンパク質が存在する。リポタンパク質の選別と膜局在化は、グラム陰性細菌に広く保存された5つの因子が担っており、誤った場所に局在しないように働いている。これまでに得られた知見をもとに、その巧妙な分子機構について解説する。