21雑誌名:PLOS ONE論文タイトル:Preparation of optimized concanavalin A-conjugated Dynabeads® magnetic beads for CUT&Tag著者:Yasuhiro Fujiwara*, Yuji Tanno, Hiroki Sugishita, Yusuke Kishi, Yoshinori Makino, Yuki OkadaDOI 番号:10.1371/journal.pone.0259846発表のポイント:◆ CUT&Tag 法に適したマグネットビーズの改良に成功。◆ 細胞と結合したマグネットビーズがダマになりにくく操作性が向上し、CUT&Tag の感度が向上する。◆ 最新のエピゲノム解析技術をより多くの人が快適に行えるようになると期待される。発表の概要: CUT&Tag 法は、少量の細胞で目的タンパク質等のゲノム局在を高解像度に解析することができるエピゲノム解析手法であり、これまで主流であった ChIP-seq 法に代わる次世代の実験手法として期待されている。しかし、既存の CUT&Tag 法プロトコルで使われる細胞吸着マグネットビーズは、ダマになりやすく懸濁性が悪いため酵素反応などを阻害する懸念があった。東京大学定量生命科学研究所の岡田由紀教授らのグループは、疎水性のマグネットビーズを改良することでダマが生じにくくし、CUT&Tag に適したビーズの開発に成功した。この改良型マグネットビーズを使用すると、細胞の操作性が向上しただけでなく、従来のビーズと比べて高い感度でヒト培養細胞の H3K4me3 を検出した。近年、エピジェネティクス研究分野において多くの研究者が CUT&Tag 法を使うようになってきており、今回開発した改良型マグネットビーズを使用することで、より多くの研究者が少ないトラブルでエピゲノム解析を行えるようになること病態発生制御研究分野次世代エピゲノム解析手法 CUT&Tag に適したマグネットビーズの開発Development of magnetic beads suitable for a next-generation epigenome analysis method CUT&Tag藤原 靖浩(東京大学定量生命科学研究所 病態発生制御研究分野・助教)牧野 吉倫(東京大学定量生命科学研究所 病態発生制御研究分野・助教(研究当時))岡田 由紀(東京大学定量生命科学研究所 病態発生制御研究分野・教授)が期待される。
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