IQB Annual Report 2020
28/42

| IQB Institute for Quantitative Biosciences26────────Regenerative Medicine論文タイトル:Small extracellular vesicles derived from interferon-γ pre-conditioned mesenchymal stromal cells effectively treat liver fibrosis著者:Suguru Takeuchi, Atsunori Tsuchiya, Takahiro Iwasawa, Shunsuke Nojiri, Takayuki Watanabe, Masahiro Ogawa, Tomoaki Yoshida, Katsunori Fujiki, Yuta Koui, Taketomo Kido, Yusuke Yoshioka, Mayu Fujita, Junichi Kikuta, Tohru Itoh, Masaaki Takamura, Katsuhiko Shira-hige, Masaru Ishii, Takahiro Ochiya, Atsushi Miyajima, Shuji TeraiDOI番号:��.����/s�����-���-�����-�掲載: https://www.iqb.u-tokyo.ac.jp/press_release/������_�/発表のポイント:□間葉系幹細胞から産生されるエクソソーム、特にインターフェロンγであらかじめ刺激した後に産生されるエクソソームは、内容物の有効成分がより濃縮されており、肝硬変の組織修復に重要な働きをもつマクロファージを組織修復に働くように変化させることを明らかにしました。□インターフェロンγであらかじめ刺激された間葉系幹細胞から産生されるエクソソームを取り込んだマクロファージはより効率的に肝臓の障害部に移動し、肝硬変の組織修復に働くことを明らかにしました。□現在、効果的な肝硬変の線維化改善や再生促進を促す薬がない中、この新たな発見は有効な肝再生療法へとつながる可能性があります。 新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野の寺井崇二教授、土屋淳紀講師、竹内卓特任助教は、東京大学定量生命科学研究所発生・再生研究分野の宮島篤特任教授、同研究所ゲノム情報解析研究分野の白髭克彦教授、東京医科大学医学総合研究所分子細胞治療研究部門の落谷孝広教授、大阪大学大学院医学系研究科免疫細胞生物学の石井優教授、菊田順一准教授との共同研究で、日本に患者が��万人程度いると考えられる肝硬変に対し、間葉系幹細胞から産生され非常に小さく、安定な細胞外小胞・エクソソームがマクロファージを介して治療効果を発揮することを明らかにしました。またインターフェロンγで刺激した間葉系幹細胞の産生するエクソソームは肝硬変に対する治癒促進効果をもつマクロファージを誘導する為に必要な物質を含むことも明らかにしました。この成果は、肝硬変に対する新たな有効物質の同定や、エクソソームを用いた新たな治療法の開発につながる可能性があります。 発生・再生研究分野/ゲノム情報解析研究分野肝硬変に対するエクソソームを用いた新たな治療法の可能性- 肝硬変への新たな再生医療を目指して -宮島  篤(発生・再生研究分野 特任教授)白髭 克彦(ゲノム情報解析研究分野 教授)

元のページ  ../index.html#28

このブックを見る