IQB Annual Report 2020
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IQB Institute for Quantitative Biosciences |21発表のポイント:□生殖細胞を作るために必要な減数分裂時に、染色体同士のマッチングを正常に行うための監視役を果たす因子が、コヒーシンとよばれるタンパク質の働きを借りて機能することを明らかにしました。□父方由来、母方由来の染色体の遺伝情報の交換を行う場である軸構造の“大黒柱”として、コヒーシンが極めて重要な役割を担っていることを明らかにしました。──────── 熊本大学発生医学研究所の石黒啓一郎准教授のグループは、東京大学定量生命科学研究所病態発生制御研究分野の藤原靖浩助教・岡田由紀教授の研究チームとの共同で、精子・卵子の形成に必要な減数分裂の過程で父方由来、母方由来の染色体がマッチングして遺伝情報の交換を行う「相同染色体の対合」において監視役を果たす因子を呼び込む仕組みを明らかにしました。これまで、減数分裂の過程で染色体が遺伝情報の交換を行う仕組みの詳細は明らかになっていなかったため、今後不妊症の原因解明などの生殖医療の進展につながる可能性があります。PLOS Genetics論文タイトル:Meiotic cohesins mediate initial loading of HORMAD� to the chromosomes and coordinate SC forma-tion during meiotic prophase著者:Yasuhiro Fujiwara, Yuki Horisawa-Takada, Erina Inoue, Naoki Tani, Hiroki Shibuya, Sayoko Fujimura, Ryo Kariyazono, Toyonori Sakata, Kunihiro Ohta, Kimi Araki, Yuki Okada , Kei-Ichiro IshiguroDOI番号:��.����/journal.pgen.�������掲載:https://www.iqb.u-tokyo.ac.jp/press_release/������/病態発生制御研究分野減数分裂における父方由来・母方由来の染色体のマッチングを“大黒柱”として支えるタンパク質の役割を解明藤原 靖弘(病態発生制御研究分野・助教)岡田 由紀(病態発生制御研究分野・教授)

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